卓球レポート 水谷隼特集

全日本前の試合が全て終わってから 筋トレ 試合2日前に新しいラバーを貼る 全 日 本 に 対 す る 準 備 は い つ か ら ? 大会前にやることは? 用 具 の 準 備 は ? Q1 Q3 Q2 試合の始まる4、5日前に筋トレ ( ウエートトレーニング)をやるよう にしています。筋肉痛は3、4日で 回復しますし、万が一けがをしたと しても、試合が始まるまでには治す 余裕があるので、そこがベストのタ イミングですね。 月曜日に全日本の開会式がある としたら、シングルスの初戦(4回 戦)が始まるのが木曜日くらいなの で、その前の土曜日、日曜日に筋ト レをやることが多いです。試合が 始まったら、ちょっとしたけがをする のも怖いので、筋トレはやりません。 用具の準備には、かなり神経を 使っています。ラバーは試合が始ま る2日前に新しいものを貼るように しています。 僕は打球感覚を1番大事にして いますが、ラバーは貼って2日目から が1番感覚がいいんですね。それ に、2日前にラバーを貼り替えると、 万が一、そのラバーの感覚がよくな いときでも、1日前には貼り替える 余裕があります。実際、前回の全 日本では、準々決勝でいい感覚で プレーできなかったので、本当なら やりたくありませんでしたが、最終日 の前日に貼り替えました。用具に 不満や不安があるといいプレーが できないので、用具は常に最高の 状態にキープしておくように心掛け ています。 スペアラケットも1本用意してい ます。これは以前にメーンのラケッ トとして使っていたものですが、幸 い試合で使うような状況になったこ とは1度もありません。普段は練習 でも全く使っていないので、もし、 スペアラケットで試合をしなければ いけなくなったら、勝つことは諦める と思います(笑)。 編集部注 編集部注 編集部注 数カ月、あるいは1年という長いスパンで見ると、 水谷には意外に好不調の波があるように感じら れる。だが、全日本では、11年連続決勝進出と いう驚くべき安定感を誇るのはなぜか? その陰に は、やはり、実力に加え、全日本にかける強い思 いと万全の準備があるのだろう。 フィジカルの管理も水谷ならではの「 感覚 」を大事にしていることが うかがえる。全日本のような開催期間の長い大会になると、終盤に さしかかるにつれ、疲れの見える選手が出てくるが、水谷の場合に は、尻上がりに調子を上げていくことができる。どんな大会でも優勝 を狙うような選手ならば、基礎体力の強化に加え、こうした準備の 重要性を意識しておく必要があるだろう。 トップ選手なら用具に対するこだわりを持つのは当然だ が、水谷はその中でも特に強いこだわりを持っていると 感じる。水谷の話はラバーの硬さ、食い込み、弾み、シー トの引っかかりなどに始まり、ラケット、ラバーを離れて、 卓球台の弾み、フロアの材質、会場の照明、空調な どにも及ぶ。 時に神経質とも思われかねないそれらの微細な違いを 感じる能力を、個人的な嗜好を意味する「こだわり」と 呼ぶことは、表現として正確さを欠くかもしれない。お そらくその繊細さこそが、水谷のミスの少ない緻密なプ レーを可能にするのだろうから。 全日本の準備を始めるのは、 例年だとワールドツアー・グランド ファイナルが終わったくらいです ね。この後、全日本まで試合がな いというところで、初めて全日本 を意識した準備が始まります。気 持ちも切り替えるし、練習も全日 本を意識した内容にします。それ までは、全日本のために何かをす るということは特にありません。 大会ごとにかける思いの強さ は違いますが、僕の中ではオリン ピック、世界卓球の次が全日本 です。毎回絶対に優勝したいと いう気持ちで臨むので、やはり全 日本は特別な大会です。 routine[ru:tI:n] 試合前日までの ルーティン 010 De c embe r

RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=