卓球レポート 水谷隼特集

早く帰る 早く帰る Q19 Q20 勝ってその日の試合が終わった場 合、翌日の試合があるときは一刻も早く ホテルに帰って休みたいですね。会場 は、いるだけで精神的にも疲れるので。 試合が終わったらまず交通機関を チェックして、すぐに帰る準備をします。 翌日の対戦相手が試合をしている場合 は観戦することもありますが、試合が始 まるまでに時間が空いていたら、待って まで見ることはしません。 帰ったら、コーヒーを飲んだりして「 普 通 」に過ごします。普通が1番です。 体のケアはストレッチを軽くするくらい で、状態によってはアイシングやマッサー ジもします。 後は前日のルーティンと同じですね。 全日本ではこれまでずっと決勝まで勝 ち進んでいるので、大会途中で負けて 帰ったことはありませんが、基本的には 勝っても負けてもすぐ帰りますね( 笑 )。 会場にいてもすることがないので。 ただ、勝ったときと違って、負けたと きは、やりたかったことをやります。ゲー ムをしたり、夜遅くでもコーヒーを飲んだ り。地味ですね(笑)。 試合を振り返って反省したりというの は、もっと時間がたってからですね。 試合に勝ったときは? 試合に負けたときは? 編集部注 開催期間が長い大会では、体力の温存も重要なテー マだ。十分に休息をとることで、再びベストのパフォー マンスを引き出す。これは、例えば1日に多くの試合数 をこなす大会でも同じことがいえるのではないだろうか。 それにしても、全日本で最終日まで負けて帰ったことが ない選手に負けたときのことを聞くとは、愚問でした。 早く帰りたくてもファンサービスは欠かさない。 それが水谷隼! これまで卓球レポートでは水谷の技術特集を幾度となく 掲載してきたが、今回のような技術以外の話を特集として 扱うのはまれだ。水谷の技術に関する理論的なコメントを 聞くことはもちろん刺激的な体験だったが、今回のように 試合に向かう準備や心構えなどを聞くことは、技術とはまた 別の発見に満ちた、好奇心をかき立てられる体験だった。 この特集を企画した時点では、全日本選手権大会史 上最多9回の優勝を誇る超人のルーティンが卓レポ読者 にとってどれだけ参考になるかという不安はあった。しかし、 直接的に役に立つものではなくても、水谷隼という卓球選 手の他に類を見ない貴重な体験、そこから生まれた発想 が、多くの読者の興味を惹くものであることは信じて疑わ ない。 さらに、水谷隼という稀有な才能が二十余年の年月をか けて到達した高みに少しでも近づきたいと感じてくれた読 者がいたなら、その 手がかりとして水谷 の考え方と行動の一 端を残しておくことに は意味があるだろう。 3歳のまな娘に球出しを する水谷。表情は柔ら かいが、出しているボー ルは意外に厳しい 編集部あとがき routine[ru:tI:n] 試合後の ルーティン 016 De c embe r

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