卓球レポート 水谷隼特集

ティモ(ボル)を初めて見たのはいつなのか 覚えていませんが、2004年のポーランドオー プンで初めて試合をしたことは鮮明に覚えて います。 このとき僕は15歳で、男子シングルスのラッ キールーザーで決勝トーナメントに進むことが できました。そして、1回戦の相手がティモでし た。ティモは2003年の世界卓球パリ(個人戦) で世界ランキング1位ということで第1シード になっていましたし、左利きの選手で最も強い 選手だったので、彼のプレーをビデオでよく見 ていました。 ポーランドオープンでの試合は0対4で負け て全く相手になりませんでしたが、同大会の21歳 以下男子シングルスで僕は優勝することができま した。ティモのような強い選手とやった後は、ほ かの選手とやると物足りなさを感じて、それが 21歳以下で優勝できた勝因だと思いました。 ティモのプレーを見て思うことは、卓球で得 点を取るための最前線を行っているということ です。プレー全体に無駄がありません。彼のプ レーから参考にしたことはいくつかあります が、特に回転をうまく使っているので、フォアハ ンドのループドライブや逆横回転サービスの 出し方なども取り入れました。ティモはストレー トへの攻撃がうまいので、それは同じ左利きと して大きな武器になるので参考にしています。 ティモと僕のプレーを比べると、総合的に ティモが僕よりも1つ上のレベルにいると感じ ています。その中でも両ハンドのカウンタード ライブは彼の優れている点で、その技術は僕 が不得意にしているので大きな差があります。 僕がティモよりも勝っている点をあげるとすれ ばレシーブくらいでしょうか。 ティモとは何度も試合をしていますが、印象に 残っているのは2010年の世界卓球モスクワで す。ティモに勝ったのはあの試合だけで、彼に 勝ったということで印象に残っています。 卓球選手としても、人間としても尊敬できる ので、ティモを見習って僕も彼のような選手に なりたいと思っています。 水谷隼が語るティモ・ボル J anua r y 047

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